※とむりえ〜アナザーストーリー〜は伝説を元にしたおとぎ話です。

現存するフランス最古の詩として知られる
『LA CANTILENE DE SAINTE EULALIE』

そこには、聖少女エウラリアの逸話が残されている。


聖少女エウラリアは西暦290年スペイン生まれの処女殉教者である。
ローマ皇帝ディオクレティアヌスによる迫害で西暦304年2月12日に14歳の若さで殉教したと云われ、現在、スペインではその日を祝日とし、聖人となった彼女を尊んでいる。

フランス・ラングドックのいくつかの村は彼女にちなんで命名されているといわれる。


その詩に書かれている内容を見てみると・・・


エウラリアは熱い情熱をもった清らかな少女であった。
麗しい容姿と、それにもまして美しい心の持ち主だった。
キリスト教徒である少女に対して、ローマの神々への崇拝を命ずる主の敵マクシミアヌス帝の手先は、彼女に悪魔の奴隷にしようとした。
しかし少女は、主に背けという誘惑に一切耳を傾けなかった。
どんな金、銀、宝石も彼女の心を動かす事は出来なかった。
脅そうが、なだめようが彼女は屈せず、神に仕える信念を貫いたのだ。
勅令を拒否した少女は、兵士たちに両腕を掴まれて処刑場へと引き立てられた。
彼女は拷問を受けたのち、火刑にされた。
絶命する間際、その体からは純白の鳩が飛び立ち、奇跡的なことに罪のない少女の遺体は全く焼けることなく、少女は美しい志を持ったまま他界した。

と書かれている。



彼女が処刑された石炉は、拷問されたエウラリアの血で染まり、流した涙で溢れていた。
そして、彼女の思いが染み込んだ石炉と彼女の遺体を、周囲の視線から隠すように雪が覆いかぶさり、その雪は、彼女の遺体が埋葬されるまで降り続いたと云われる。

 まるで神によって護られているように・・・

 その後、聖女と呼ばれるようになったエウラリアは雨、航海の安全などの水害から人々を守る守護聖人として人々に愛されている。

現代でいう『晴れ女』は、そこから来ていると云われている。
 
キリスト教徒であるエウラリア・・イエスキリストが最後のアダムと言われているが、エウラリアはイブの生まれ変わりであったとの俗説があるのをご存じだろうか?

一説によると、最初に禁断の果実であるブドウ(ユダヤ教では禁断の木の実はブドウとされている)を口にした彼女の原罪が、人間の本性を変えてしまったため、以来、人間は、神の救いなしには克服しえない罪への傾きを持っているとされる。
本来持っていた人間の本性(洗練された、清らかなもの)と原罪を背負ってしまったイブの性質が、妖精エリーとユーリの性格に表れていると云われている。

 悪魔に屈してしまったイブの攀念智が輪廻転生したエウラリアの「信念・志」の源と見られている。
また、エウラリアが処刑された石炉は、エウラリアの思いが染み込み、それを覆いかぶさった深い雪によって、埋葬されるまで神に護られていたと云われている。

伝説では、エウラリアの体から流れ出た血と涙で溢れたとされているが、ブドウを口にしたイブの生まれ変わりというところと「ワインはキリストの血」と言われている説と照らし合わせて、火刑の際にエウラリアの体から噴き出したのは、赤ワインであったとされている。
それが雪に閉じ込められたことにより、熟成し、美味な赤ワインになったとされ、エウラリアを埋葬した教徒たちは、不老不死を願い、そのワインを口にしていたのだが、沈殿した滓(エウラリアが背負った原罪の塊)を分離して、上澄み(エウラリアの純真無垢な精神)のみを取り入れていたと云われている。

また、エウラリアが流した涙は、覆われた雪の影響を受け、凝固し、きれいなブドウの実となったと云われ、そのブドウを用いて造られた白ワインは、エウラリアの清らかな性格を表すような味わいを生み出すとされている。

教徒たちは、赤ワインと共に、この白ワインを口にすることで、エウラリアの美しい心を取り入れ、平和な世の中を造る礎としたと云われている。

エウラリアが処刑された石炉はその後、解体され、その石の一部が、あるワイナリーの醸造タンクに取り込まれているとされている。

そのワイナリーは、ラングドック・ミネルヴォア・リヴィニエール村にある。

名前は、CHATEAU SAINTE EULALIE ・・・

そう、それは、奇しくもエウラリアの伝説を記した最古のポエムと同じ名前を持つワイナリーであったのだ。

双子の妖精エリーとユーリが棲みついたこのワイナリーで、長年、封印された歴史を明らかにするように、聖少女エウラリアのような心を持った一人の女性によって造られたワイン・・・『La Cantilene de Ellie』と『Le BLANC D’Eulie』

この2つのワインが、人々に『夢・信念・情熱』と『清らかな心』を与え、
永遠の若さと平和な世の中をもたらすと云われている。 


※『LA CANTILENE DE SAINTE EULALIE』の詩の中で、
皇帝はマクシミアヌスとなっている。
当時のローマ帝国は2人の皇帝がおり、同時期に東方をディオクレティアヌス帝、西方をマクシミアヌス帝が治めていた。
長年の間に物語の登場人物が混同したとされている。

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